第18回いけせん誌上句会

[第18回東京池袋川柳会(いけせん)誌上句会]

 

募集期間  2019.11.10〜2020.1.10

投句総数  4300句

主  催  東京池袋川柳会

後  援  (一社)全日本川柳協会 ・ 豊島新聞社 ・ (一社)豊島区観光協会

協  賛  SME経営者交流会(協賛企業)


第18回シニア川柳入選作品発表

 

人生100年時代と呼ばれる中、

今後さらに人口ボリュームが増大するシニア層 をテーマにした。

第18回目となるいけせん誌上句会は

課題の「シニア川柳」に今年も4,300作品の応募を いただきました。

下記の38作品を入選作として選出しました。

賞品は、特選3句 秀作5句!

 

 [ シニア川柳 ] 平井煕&スタッフ 選


「特選」

命名の和紙にいのちを注ぎこむ  小林和喜子

     誰の命名ですかね?お子さん、お孫さん、ペットもありかも。

     いのちを注ぎこむがとっても愛がありいいですね。     

 

不自由の自由もちょっといいかもね  古賀由美子

     怪我をしたり、年をとってどこか不自由になることは不便だと 

     おもえば辛いその中にある自由ってなんかいいですね。     

 

バーテンに小声でそっとシニア割  津田隆

     とある酒場の出来事?ちょっとおしゃれなワンシーンが浮かびます。


「秀作」

殴り雨地下の立ち飲み五年ぶり  那須義明

急すぎるブレーキどっちと言われても  吉田純志 

あれこれと記憶の鍋をかき回す  井関由香里

釣り好きで三途の川も竿持参  小林功

まだ死ねぬ賽の河原を逆走し  沢登清峰


「佳作」

猫の名が言えずに切れた詐欺電話  渡辺勇三

初孫の薄毛に一言ワシ似だな  檜垣文

横恋慕逝ったあなたが悪いのよ  上池一郎

再雇用給与もやはりシニア割  落合政司

欲しかった五輪チケット シニア枠  黒滝政秀

いつまでも男ロマンのおもちゃ箱  武者信三

シルバーと呼ぶな腕前ゴールドだ  藤野富士雄

あれは詐欺これも詐欺だと詐欺の罠  渡邊敏夫

散歩道「老いで老いで」と影法師  沢渡隆 

断捨離しトランクルーム満杯に  太田康寛  

最愛の髪もちらちら散り始め  山花薫

切れ者と呼ばれ今ではキレる人  高橋幸徳

お捨てください我が家の招き猫を  大塚二郎  

そっと起きそっと帰ってそっと寝る  井上靖

つまずいてもつれさせない赤い糸  石塚秀夫

フルムーン景色ばかりを撮る夫  青山三休

オレオレと話し込む母人恋し  原田大吉 

老犬を台車に乗せて爺が押す  高井寅治

腰浮かし冷たい便座でスクワット  梶原公靖

ながき歳錆びた鍵穴錆びた鍵  滝沢みさ子 

高くない我が家の敷居つまずいて  三村雅則

減らすまいようやく貯めた歳だもの  柴原由枝

「どうします?」訊かなくなった散髪屋  安田清一

爺ちゃんが餅食べた笑ってはおれぬ  東志郎

自分史を美化しても知る友は減り  佐々木紀子

窓際の風吸うべきか吐くべきか  南吾郎

渋柿のように干されて風に立つ  関根悟

ワンチーム言ってもいつもつまはじき  岸保宏

外国語ただで覚えた夜の町  塩谷力春

バぁば帰宅まず ぬか床の機嫌取る  若葉緑


総評 松橋帆波

第2回シニア川柳に沢山のご応募、誠にありがとうございました。 

令和2年2月に、第2回の発表をさせていただくという、「シニア川柳」と、令和の世の巡り合わせを感じながら、4,300作品を鑑賞させていただきました。 

全体として「若い!」という印象を強く抱きました。

世の中には「高齢化」に対する、ネガティブな印象が溢れておりますが、シニア川柳を見る限り、川柳を詠むという刺激が、健康長寿化につながっていると確信する次第です。

入選作品の全てに通ずるのは、アクティブである、という実態です。

シニア世代の本質は「アクティブ・ラーニング・エルダー」であると、強く認識いたしました。

世の事共を観察し、豊富な人生経験をバックボーンとした視点が、5・7・5を綴る。本物の大人の嗜好としての「シニア川柳」の、未来が楽しみであります。

 

人生を紡ぐシニアの575