東京池袋川柳会

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2019年9月の入選句発表

[2019年9月の入選句発表

 

募集期間  2019.9.1〜2019.9.30

投句総数  103人 485句

お  題  [椅子] [色]

選  者  平井 煕


2019年9月の入選作品発表

 

題 [椅子] 選後感想 

椅子という重さや座る心地よさを感じながら一句一句に向き合った 椅子という身近にいる物として捉えた句が多い中椅子の方からの気持ちを詠んだ作品が面白く感じました。

 

[特選]

祖母の椅子時おり揺れて笑ってる  古賀由美子

 ☆今そこに姿は無いが椅子が代わりに笑っているそんな風に感じる作品。

    

[秀作]

思い出が座る朝餉の椅子一つ  安田清一

 ☆その思い出の椅子に誰が座っていたのかを感じさせる。

終活の墓まで遠い車イス  関根悟

 ☆リハビリで何とかならないですかね

馴れ初めはひとつ空いてた自由席  菅野八恵子 

 そういう縁だったのですね。

 

[佳作]

腰掛のつもりで座りはや定年  原田大吉

持ち主を椅子の窪みが覚えてる  岡田弘子

権力のイスへ未練が断ち切れぬ   岡野満

鞭入れる椅子取りゲーム入社式  関根福太郎

居酒屋の丸椅子尻によくなじみ  金子秀重

まだ残る椅子の落書き30年  原茂敬浩

椅子一つ開けて距離置く映画館  高橋まりえ

やさしいぞシルバーシートゆずりあい  佐藤邦夫

音楽会眠りを誘う椅子であれ  細川岩男

主の居ぬ座椅子に威厳だけ残る  松田清司

譲られた椅子の凹みはきっと愛  田岡弘

しがみつくその椅子そんな美味いのか  渡辺勇三

顔がない飲んべが並ぶカウンター  大塚三郎

捨てられぬ貴方が去ったこの座椅子  若葉縁

強がりでひとり孤独な社長椅子  井関由香里

 

 

題 [色] 選後感想 

色々な色の感じ方の表現に楽しさを感じイメージが広がりました。

 

[特選]

青空は果てでつながり海になる  田村美穂 

 ☆色を青空としたカラーで表してイメージを広げている作品です。

 

[秀作]

しゃぼん玉哀しい色は卒業し  古賀由美子 

 ☆何色のシャボン玉が消えてしまったのか。

恋心桃色になり青になり  吉川勇 

 ☆気持ちの移り変わりを色で表現。

せっかちな私を諭す黄信号  田岡弘 

 ☆ちょっと待てが大切な時が多々ありますね。

 

[佳作]

安っぽい愛だ色落ち気づく秋  関根悟

限りなく黒に近いが法の外  原田大吉

白黒を付けず来たから今が有る  安田清一

銀なのに色気を出して銅になる  岡崎実

色あせる前に売りきるいい女  関根福太郎

見る夢に無限の色のある若さ  金子秀重

色香には迷わず生きて残る悔い  小林功

映えるのはいいが料理は味だから  寺井一也

蟋蟀が音色を変える低気圧  幅茂

「色と欲」書いたあなたの処方箋  大塚一郎

人生を描く色合いまだ半端  前野守郎

切り札にさせない色を持っている  青山二休

わたしいま塗り替えられたパンダの目  上池二郎

宮仕え自分で飛ばす白カラス  新家益一 

良く見ると白身卵も色っぽい  井関由香里 

ご連絡先

いけせん東京池袋川柳会
〒170-0005
東京都豊島区南大塚3−34−6 

南大塚エースビル2階
平井 熙 宛

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