東京池袋川柳会

h.hirai@j-eagles.co.jp

〇印が今回の会員作品五句!

帆波・由香里・沢渡隆・大吉・正夫・くに子・津田隆・康則・悟

さくら・俊郎・吟二・美津子・田岡弘・熙・仲子

〇県警の後の祭りを見てしまう 

〇見渡せば並ぶ峰なき第七波 

〇国葬も仕切る広告代理店 

〇壺売ったお金献金してもらい 

〇湯温ならビバノンノンの気温計

☆偶然が続くと赤い糸になる

☆引きこもりしなびた母の乳といる

☆あんなとここんなとこまで蚊に食われ

☆太陽を探して曲がる夏野菜

〇花吹雪心の扉空けておく 

〇見上げれば雲の中にも顔が有り 

〇マドンナの笑窪に潜む落とし穴 

〇紅を引き一人で生きて行く覚悟 

〇線香を燃やし一本線を引く

☆騙し絵に嘘をたっぷり塗ってみる

☆ポケットで昔話を温める

☆返信が迷惑そうにやって来る

☆闇の中素顔になって行く私

☆コンビニのカット野菜に有る孤独

試着室時々お世辞言う鏡

〇来し方の疵をひたすら誑かす 

〇兵を脱ぎ捨て老いは膝枕 

〇青黴のような切なさ明日八十路 

〇哀惜にふいと皺伸ぶ母愛し 

〇手を取って蓮の台ひと眠り

☆名刺入れ「志のぶ」と「マキ」がいがみ合う

☆麺棒を操る店主コシの冴え

☆ものぐさな父と母とに子沢山

☆あの川で泳げぬ妻を先に待つ

☆口笛を吹いて老妻家を出る

☆酔っ払い?酒は呑まないただの呆け

〇炙られて反っくり返える烏賊の意地 

〇幸せかい車窓の我に訊いてみる 

〇毒の味舐めてしまえば蜜の味 

〇ロッカーで私に戻る十七時 

〇家はある居場所が無いと父は言う

☆言えません閻魔の前で黙秘する

☆昨日まであったお店が今日は無い

☆跨って箒に飛べと無茶を言う

☆寄り添うとあんたに言われ寒くなる

★結婚はパパが良いなとこましゃくれ

〇新型の家電が家計助けると 

〇ふるさとは火星と言える人もいる 

〇イライラや頭痛の人は鉄不足 

〇原発の再開ささやく魔の声が 

〇食べ放題みかん片手にもういいか

★ものぐさも食事時には一番で

★あの人もホクロの場所で好きになり

★まぼろしか老後資金が底をつき

★年金の安心説が消えてゆく

★無茶を言う女房避けて夜の街

★私はどんな踏み絵も踏んで来た

★女の子酒に飲まれて蛙かな

★黒塀の蛇の目揺れる三味の音に

★姑の三言四言でぼろぼろに

★金よりも欲しい物有り馬鹿云うな

〇朝ドラにうるうるしてる夏の卓 

〇忘れない知ってしまった誕生日 

〇ご褒美のわたしに髪を染めている 

〇追いついた油断が負けの決めてなり 

〇コイントスあの時見えたあなたの眼

☆もうずっと独りを風に覗かれる

☆もの真似の上手い私を待つダンナ

☆剥がせないテッパンなんです今日の嘘

☆クレーマー言ってまたまた戦利品

☆幸せに見せる程度の笑みはある

☆亭主にも見せぬ火傷を知る鏡

〇春の朝庄助になって風呂と酒 

〇花筏乗れる気になる酒5合 

〇角打ちは今日を肴にグビグビと 

〇ライザップしたのか秋刀魚よく痩せた

〇 食の秋重たいわネェとハイヒール

☆貧乏のものさし違う今昔

☆屁理屈を通して友が一人減り

☆ほんとだよ星は何でも知っている

☆これで良い油断だらけの隙だらけ

☆四方山の話の中に或るよもや

〇折り紙が敵を包んで鶴になる 

〇九条が紙の鎧を買いに行く 

〇四分音符五線紙上で恋をする 

〇思春期の扉ラジオの開ける音 

〇テレワーク終えて我が家のママと飲む

☆うんざりとヘタにクソまで付けられて

☆新ゴジラ落としたメモが暴れ出す

☆迫り来る明日に揺れてる子の背中

★舐めていた男に私舐められる

★夜逃げする覚悟で愛を奪い取る

〇家長の座妻に奪われ居場所なし 

〇消しゴムで消したい過去がてんこ盛り 

〇えっ、昭和その一言で老いを知る 

〇三食を薬飲むため食べている 

〇年老いてあてもないままチャージする

☆さあ逃げろ吠える妻には打っ手なし

★俺の顔踏み絵にしても妻は踏む

★ブスな子を産むなと妻に無理を言う

★キャバクラで寄り添う女金次第

★予約ミス食えるかピザを百枚も

★元カノの忘れられない胸ホクロ

★皿が割れ虫の知らせか父危篤

★批判だけ結論は無い評論家

★青春の門限までの淡い恋

★闇市で買った絵画が億となり

〇見えるふり、聞こえるふりし、わかるふり

〇初耳という顔で聞く思いやり

〇まあいいか明日があるさの繰り返し

〇乗せられて走って気付く口車

〇年金へ追討ちかける物価高

☆カラオケで誉めたらずっと聞かされる

☆工面して買った翌日五割引き

☆待ち合わせ場所も告げずに夫逝き

★指切りで誓った言葉秘密です

★ジャンボから年賀葉書に縮む夢

★最近はおひとり様が幅きかす

★どうしてもあそこの席が欲しいわね

★ほんとうにまさかまさかの大当たり

★貴方から掛けられたのよマジックを

★あなたとの会話はないが眼で燃える

☆欲しいのは熊野古道を歩く脚

★催眠にかかったように詐欺に会い

★やっぱりね身の程を知る帰り道

★ペコペコは遠くになりぬ老の日々

〇円安でドルの年金少し増え 

〇どちらかと言えば幸せ独り者 

〇開かずにサインするだけ回覧板 

〇膝の子と一緒に飲みたい夢は夢 

〇しばらくは一人でいたい風呂上り

★八十路でも恋のセリフに酔うことも

★AIと結婚したのかも知れぬ

★食パンも予約だなんてあきれたね

★嫁姑ゆかりの糸をひきのばし

★東京は誰のふるさと人溢れ

〇安倍さんが銃で撃たれて去った今 

〇政と官いまだに忖度するらしく 

〇国葬でモリカケサクラ葬る気 

〇ラッキーな重石のとれた岸田くん 

〇日本に明るい未来多分なし

〇まだ同居なんて御免だ落葉掃く 

〇老いてなおときめいて追う四季の花 

〇長命だけじゃ嫌だベクトル明日へ飛ぶ 

〇還暦の恋です乳房乾いても 

〇世の役に立ちたい老いの灯点けて行く

〇幸せを濾過して通す左耳 

〇こんなにも歪だったと知る余白 

〇美しく咲いて寂しい落椿 

〇朱を入れた墓が白字になって雨 

〇にんげんの有り様で出る座の深み

ご連絡先

いけせん東京池袋川柳会
〒170-0005
東京都豊島区南大塚3−34−6 

南大塚エースビル2階
平井 熙 宛

090-9817-2983

↓お問い合わせは
 下記フォームよりお願いします

川柳散歩句集6_0001.jpg

 平井煕川柳句集 
「川柳散歩」 発売中
 新葉館出版
 定価(本体1200円+税)
 お問い合わせは事務局まで

↓お問い合わせは
 下記フォームよりお願いします

川柳散歩句集6_0001.

 平井煕川柳句集第二弾 
「川柳散歩Ⅱ心残りは」 発売中
 新葉館出版
 定価(本体1200円+税)
 お問い合わせは事務局まで