東京池袋川柳会

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2021冬の入選発表

[2021年冬の入選句発表

 

募集期間  2021.1.1〜2021.1.31

投句総数  192人 713句

お  題  [雪] [歩む]

選  者  平井 煕


2021冬の入選作品発表

 

題 [雪] 選後感想 

「雪」のお題の句はこの季節柄全体的にきれいなイメージの句が多かったですね。 今年は大雪で高速道路での立ち往生や雪につぶされそうな家や大変な状況も多かったのですがその中でもそれより雪のイメージを描かれた句がやはり秀句で目立ちました。

 

[特選]

次の日に二人で消えた雪だるま  米山明日歌 

☆どういうシチュエーションの二人だったのか、まるで映画のワンシーンが 浮かぶようです

 

[秀作]

真冬日に切らしています白絵の具   加藤ゆみ子 

 ☆きっとしんしんと雪が降ってるけど暖かい部屋の中の状況でしょうか? 

油絵を描いてるのでしょうか?そこで一本の絵の具が見当たらない。 さてどうなったか気になります

気まぐれに雪かみぞれか選ぶ雨    田村美穂 

 ☆そうか、雨も寒いけど悩んでたのか、気まぐれって言い方が 楽しいとこですね

普通の日願う今年の雪だるま     桜木美津子 

☆コロナ禍でみんな普通の日常を早くと願ってるのは雪だるまも同じですね。 早く落ち着いた日々が来ますように祈りたいです。 

 

[佳作]

雪見酒ちょっと酔ったか星の父  沢渡隆

きっと来る雪やこんこんおまじない  井関由香里

冬キャンプ一寸お洒落に雪ロック  津田隆

雑踏にマスク姿の雪女  原田大吉 

被災して雪の冷たさことさらに  白瀬美智男 

真っ黒な私を雪が消してゆく  古賀由美子

南天の赤い実もらった雪兎  宮澤さくら

雪しんしん葉書のだるま服着せて  吉川勇

雪解けを待つは左の薬指   角森玲子

雪化粧溶けて素顔を恥じる富士  稲岡俊一

なごり雪最後は彼の手の中で  桑原智恵子

大事な日雪が意地悪またしてる  関根悟

初雪に教室中がうわの空  和田江里香

ゲレンデのヤッケ姿に騙されて  嶋田眞

新雪に小鳥の足も沈み込む  松本勉

 

 

 

題 [歩む] 選後感想 

「歩む」のお題は進んでいく、先に希望が見られるという句がよかったです。

 

[特選]

ぬるま湯を飛び出す吾子の長い旅  阿部文彦  

☆居心地のいい家庭なんでしょうね。

 そこを飛び出して新しい世界生活へ行くわが子を見守っているのでしょうか。

 大きくなったわが子を思う親の気持ちが短い中に感じ取れます。

 

[秀作]

引き合いに出され迷惑してる亀   安田清一

☆「のろまじゃないよ、怠けてもいないよ」と言ってますねきっと。 

後手後手の天狗が急に歩み寄る   関根悟

☆誰の事でしょうか?きっと同じこと考えてる方多いでしょうね

去ってゆく男に投げる雪つぶて   野村克己 

☆雪つぶてには石は入ってたでしょうか?届いたでしょうか? 誰に向かって投げたのか気になりますね。

 

[佳作]

牛歩でも進んでいればある希望  小熊泰子

歩み行く本気の赤か確かめに   米山明日歌

引き返す勇気をくれた子の寝顔  金子秀重

子雀が歩むところに春日射す  鈴木小百合

ゆっくりと歩く陽射しの春気配  吉川勇

うしろから足音響くもどかしさ   林くに子

歩むには意志とマスクは必需品  井深靖久

わだかまり心の雪は溶けぬまま  宇野邦久

いつの日かコロナ地球の1ページ  改発利佳

 山登りマスクをはすずタイミング  南治郎

音階を踏むように行く雪の朝  加藤ゆみ子

スランプを抜け出す一歩探してる  古賀由美子

生き様をみんな知ってる靴の底  大塚一郎

その場からついぞ歩めぬ風車  田村美穂

コツコツと亀の歩みの底力  岡野満

ご連絡先

いけせん東京池袋川柳会
〒170-0005
東京都豊島区南大塚3−34−6 

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平井 熙 宛

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